滝とレーベンハート2012年08月22日 00:02

先日の滝話しで、某雑誌のこんな撮影を思い出しました。
レーベンハート、LD6の22インチを渡されて、
私の感性にまかせてイメージ写真を撮ってきてほしいという依頼。
長野にある滝とホイールを絡めるという私の提案は受け入れられたため、
高価なクロームホイールをクルマに積んで、
アシスタントをお願いした友人とともに上信越道を走りました。

緑が鮮やかな苔が生える岩場の先にその滝はあります。
滝を背景にホイールをセットし、
中判フィルムカメラのファインダーを覗きました。
ところがシャッターを切るのがためらわれるのです。

背景にモデルが入れば、無機質な画にストーリー性が加わる。
もっといい画が撮れる。

そう考えた私は編集部に電話を入れ、
予算的に可能であればモデルを連れて、
再度東京と長野を往復したいと提案してみました。

よりいいものが出来ると判断できるのであれば構わないと
快諾をもらいました。

こうして出来上がったのがこの画です。

前回とは異なり快晴が続いていたこの日は、
苔が乾き鮮やかな緑が失われていたため、
友人と二人で岩という岩に水をかけまくりました。
実は足を怪我をしていて歩く事もままならないモデル(こちらも友人)に
無理して沢を渡ってもらい、
わずか1カットのために様々なポーズをとってもらいました。
当時はデジタルではなく、中判フィルムでの撮影のため手間もかかります。
しかしこの画角で美しいボケ味が出るのは中判ならではです。

久しぶりに中判フィルムカメラを携えて撮影に出かけたくなる。
そんな気にさせてくれる思い出の一枚です。